「ブラックコーヒーを飲むと集中力が増す!」「でも、飲み過ぎると胃がムカムカする…」 そんな経験はありませんか?
ブラックコーヒーが生活に欠かせないという方も多いですが、健康に良いのか悪いのか、本当のところはどうなのか曖昧なままの方も多いはず。
今回は、ブラックコーヒーに含まれる成分とその作用を知り、それを踏まえた上での最適な飲み方について、わかりやすく解説していきます!
ブラックコーヒーは万能薬?(メリットまとめ)
ブラックコーヒーの主成分は水分で、約99%を占めます。残りの約1%に、様々な健康効果をもたらす成分が含まれています。
主な成分とその効果
カフェイン:覚醒作用、集中力向上、疲労感軽減、運動能力向上、頭痛の緩和、脂肪燃焼効果などが期待できます。
クロロゲン酸:抗酸化作用、脂肪燃焼効果、血糖値上昇抑制、生活習慣病予防、美肌効果などが期待できます。
トリゴネリン:脳機能改善効果、リラックス効果、認知機能低下抑制、ストレス軽減などが期待できます。
タンニン:抗酸化作用、抗菌作用、消臭効果、虫歯予防、口臭予防などが期待できます。
カリウム:高血圧予防、むくみ解消などに役立ちます。
これらの成分が相乗効果を発揮することで、ブラックコーヒーは、ダイエット、生活習慣病予防、美容、メンタルヘルスなど、様々な面で私たちの健康をサポートしてくれるのです。 参考までに、ブラックコーヒー100mlに含まれる各成分の量は以下のようになります。コーヒーと聞くとカフェインを連想する方がほとんどですが、実際は他にも多くの成分が含まれています。
カフェイン:約40-80mg
クロロゲン酸:約20-100mg
トリゴネリン:約10-40mg
カリウム:約40-80mg
タンニン(ポリフェノール類):約150-300mg
※コーヒー豆の種類や焙煎方法によってバラツキはあります。
なぜ眠気が覚めるの?カフェインの不思議な力
ブラックコーヒーを飲むと眠気が覚めるのは、カフェインという成分のおかげです。
私たちの体はエネルギーを消費している時や休息を必要としている時に「アデノシン」という物質を分泌します。このアデノシンが増えると、脳内の神経細胞にある「アデノシン受容体」にくっつき、「疲れたよ~」という信号を送り、眠気や疲労感を感じるようになります。
カフェインは、このアデノシンと似たような形をしています。そのため、アデノシンがくっつくはずのアデノシン受容体に、カフェインが先に割り込んで結合してしまうのです。
そうすると、アデノシンは自分の居場所を失ってしまい、眠気や疲労感を感じさせることができなくなります。さらに、カフェインがアデノシン受容体に結合することで神経細胞が活発になり、脳が覚醒状態になります。これが、カフェインによって目が覚めるメカニズムです。
ブラックコーヒーの落とし穴!知っておきたい注意点
良いことずくめに思えるブラックコーヒーですが、飲み方を間違えると、体に悪影響を及ぼす可能性もあります。
過剰摂取によるリスク
カフェイン:飲み過ぎると、夜眠れなくなったり、心臓がドキドキしたり、イライラしやすくなったりすることがあります。さらに、カフェインには利尿作用があるため、トイレが近くなることがあります。
クロロゲン酸:胃酸の分泌を促すため、お腹が弱い人は、胃が痛くなったり、胸やけを起こしたりすることがあります。
トリゴネリン:胃酸の分泌を促すため、飲み過ぎると胃が痛くなることがあります。
タンニン:鉄分の吸収を邪魔してしまう可能性があります。貧血気味の人は注意が必要です。
健康効果を最大限に引き出す!ブラックコーヒーの賢い飲み方
ブラックコーヒーのメリットを最大限に活かし、デメリットを最小限に抑えるためには、以下のポイントを意識しましょう。
ポイント ①:量とタイミング
・1日の摂取量
カフェインの過剰摂取は、不眠、不安、動悸、依存性、利尿作用など、様々な悪影響を及ぼす可能性があります。健康な成人の場合、1日のカフェイン摂取量は400mgまでを目安とします。この目安をブラックコーヒーに換算すると3杯程度(1杯約200ml)に相当します。
特に、妊娠中や授乳中の方は、カフェインの代謝が遅くなり、体内に蓄積されやすいため、注意が必要で、1日のカフェイン摂取量を200mg以下(1~2杯程度まで)に抑えましょう。参考までに、セブンイレブンのコーヒーの量は、レギュラーサイズが180ml、ラージサイズが300mlです。 *注:コーヒー以外にお茶やエナジードリンクも愛飲している方は1日にカフェインを過剰摂取している傾向があるので必ずその飲む量を調整しましょう。特にエナジードリンクは製品によって1本に大量のカフェインが含有されている場合がありますので特に注意が必要です。
・1度に飲む量
一度に大量のコーヒーを摂取すると、胃に負担がかかり、胃痛や胸やけなどの症状を引き起こす可能性があります。1度に飲む量は、コップ1杯(約200ml)程度を目安にしましょう。
・飲む時間
カフェインには覚醒作用があるため、午前中や運動前に飲むのがおすすめです。仕事や勉強の効率を上げたい時や、運動のパフォーマンスを向上させたい時に効果的です。
一方、カフェインの効果は摂取後30分~1時間程度で現れ、約4~6時間持続すると言われています。14時以降にコーヒーを飲むと、就寝時間によっては夜間の睡眠に悪影響を及ぼす可能性があります。具体的には、入眠困難や中途覚醒、睡眠の質の低下などを引き起こし、日中の眠気や疲労感、集中力低下などにつながる可能性があります。
より最適なコーヒーを飲む時間としては、午前中から14時くらいまでがおすすめです。ご自身の睡眠の状態をよく観察し、コーヒーを飲む時間帯を調整するようにしましょう。
・飲むタイミング
また、空腹時にコーヒーを飲むと、胃酸の分泌が促進され、胃粘膜を刺激する可能性があります。胃腸が弱い方は特に注意が必要です。食後にコーヒーを飲むか、牛乳や豆乳で割ることで、胃への負担を軽減することができます。
ポイント ②:温度
熱いコーヒー(65℃以上)を飲むと、食道がんのリスクを高める可能性があるという報告があります。これは、熱い飲み物自体が食道に炎症を引き起こし、細胞を傷つけるためと考えられています。コーヒーを飲む際は、少し冷ましてから(65℃以下)飲むように心がけましょう。
ブラックコーヒーに関するギモンを解決!
Q. ブラックコーヒーがガンの原因になりますか?
A. 以前はブラックコーヒーがガンを引き起こす可能性があると言われていました。国際がん研究機関(IARC)が発表している発がん性リスク表に、ブラックコーヒーが載っていたことがその理由です。
IARCの発がん性リスク表は、物質がヒトに対してどれくらい発がん性があるかを示すもので、グループ1からグループ4までの4段階に分類され、グループ1に近づくほど発がん性が高いとされています。
ブラックコーヒーは、以前「グループ2B」(ヒトに対して発がん性がある可能性がある)に分類されていました。しかし、2016年にIARCはコーヒーの発がん性について再評価を行い、「グループ3」(ヒトに対する発がん性について分類できない)に変更しました。これは、最新の研究結果に基づき、コーヒーを飲むこととがんの発症との間に、明確な関連性が見られないと判断されたためです。
つまり、現在では、ブラックコーヒーを飲むこととガンになることには、明確な関係はないと言われています。
ただし、熱いコーヒー(65℃以上)は「グループ2A」(ヒトに対しておそらく発がん性がある)に分類されています。これは、熱い飲み物が食道がんのリスクを高める可能性があるためです。コーヒーを飲む際は、少し冷ましてから飲むようにしましょう。
Q.ノンカフェインのコーヒーを飲んでも胃の不快感があるのはなぜですか?
A.ノンカフェインコーヒーでも胃の不快感を感じることがあるのは、カフェイン以外の成分が影響している可能性があります。特に、クロロゲン酸とトリゴネリンは胃酸の分泌を促進する作用があるため、胃の不調を感じやすい方は注意が必要です。
Q. どんなコーヒーでも同じ効果が期待できますか?
A. 今回の記事は、ミルクや砂糖を入れていないブラックコーヒーについて解説しました。ミルクや砂糖を加えると、カロリーや糖質が増えてしまうため、その健康効果は変わってくる可能性があります。
まとめ
ブラックコーヒーは、正しく飲めば、健康や美容に役立つ素晴らしい飲み物です。この記事を参考に、ご自身の体質やライフスタイルに合った飲み方を見つけて、ブラックコーヒーをもっと楽しみましょう!
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