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【登山初心者必見】ワークマンのウェアは本当に使えるのか?

  • 執筆者の写真: KAZUHIRO HFT
    KAZUHIRO HFT
  • 6 日前
  • 読了時間: 10分

「登山を始めてみたいけど、有名な登山ブランドのウェアは高くて…」 「続くかどうかわからないのに、最初から高価なものはちょっと…」


そんな風に感じている登山初心者の方にとって、圧倒的な低価格と高いコストパフォーマンスで注目を集める「ワークマン」の登山向けウェアは、非常に魅力的な選択肢ですよね。

実際に、日帰りハイキングや低山ハイクなどでは、ワークマンのウェアで十分に楽しめるという声も多く聞かれます。


しかし、その一方で「本当にワークマンで大丈夫?」「デメリットはないの?」といった不安を感じる方もまだまだいらっしゃるのではないでしょうか。


そこで今回は、登山を始めたいけれどウェア選びで悩んでいる方に向けて、ワークマンの登山ウェアの魅力と知っておきたいデメリット、そして「少し高くても歴史ある登山ブランドのウェアを選んだ方が良い時」について、詳しく解説していきます。


ワークマン登山ウェアはなぜこんなに人気なのか?

まず、ワークマンの登山ウェアがこれほどまでに支持される理由を見ていきましょう。

  1. 圧倒的な低価格とコストパフォーマンス なんといっても最大の魅力はその価格。有名ブランドの数分の一の価格で、登山の基本的な機能を備えたウェアが手に入ります。

  2. 初心者が気軽に試せる 「登山を続けるかわからない」という不安がある中で、高価な投資をするのは躊躇しますよね。ワークマンなら、万が一登山が合わなくても、経済的なダメージを最小限に抑えられます。

  3. 普段使いもしやすいデザイン性 最近のワークマン製品は、アウトドアシーンだけでなく、タウンユースもできるおしゃれなデザインが増えています。登山専用としてだけでなく、日常的に使えるのは嬉しいポイントです。

  4. 驚きの機能性向上 「安かろう悪かろう」は過去の話。近年、ワークマンは機能性にも力を入れており、独自の防水透湿素材「INAREM(イナレム)」を使用したレインウェアなどは、一定の防水性と蒸れにくさを実現しており、多くのユーザーから高い評価を得ています。


このように、ワークマンのウェアは、特に登山を始めたばかりの方や、手軽にアウトドアを楽しみたい方にとって、非常に心強い味方だと言えます。


知っておきたい!ワークマンウェアのデメリット

魅力的なワークマンのウェアですが、やはり専門の登山ブランドと比較すると、いくつかの注意点も存在します。これらを理解しておくことは、安全で快適な登山を楽しむためにとても重要です。

  1. 専門ブランドとの比較における機能性の限界

    過酷な環境下での性能差:例えば、森林限界を超えるような高山、風雨が長時間続く悪天候、雪山といったシビアな環境では、防水性、透湿性、保温性、速乾性などの基本性能において、専門ブランドの高機能素材(例:GORE-TEX®)には及ばない場合があります。特に透湿性が低いと、汗冷えによる低体温症のリスクが高まります。


    細部の作り込み:フィット感の調整機能、動きやすさを追求した立体裁断、ハーネスやバックパックとの干渉を考慮したポケットの配置など、細部の作り込みに関しては、長年の経験と登山者のフィードバックを蓄積してきた専門ブランドの方が、より洗練されている傾向があります。


  2. 安全性への影響の可能性

    特に天候が急変しやすい山岳環境では、ウェアの性能が直接的に安全性に関わってきます。例えば、防水性が不十分なウェアで雨に長時間打たれれば、体温を奪われ、最悪の場合、低体温症を引き起こす可能性があります。ワークマンのウェアが悪いわけではありませんが、想定される山のレベルや気象条件によっては、より信頼性の高い専門ブランドの製品を選ぶことが、自身を守ることに繋がります。


  3. ラインナップの限界

    ワークマンは汎用性の高い製品が中心です。そのため、クライミング専用、沢登り専用、厳冬期アルパインクライミング用といった、特定の活動に特化した専門的なウェアのラインナップは、現状では専門ブランドほど豊富ではありません。


  4. ワークマンウェアの耐久性は?

    有名ブランドとの違いと技術的な背景:ネット上では「ワークマンのウェアの耐久性は1シーズン程度」といった声を聞くことがあります。使用頻度や登山のスタイル、メンテナンス状況によってウェアの寿命は大きく変わるため一概には言えませんが、一般的に有名登山ブランドの製品と比較した場合、極限状況での使用や長期間のハードな使用に対する耐久性には差が出てくる可能性が高いと言えます。


    では、なぜ価格が大きく異なる有名登山ブランドの製品の方が、耐久性に優れている傾向があるのでしょうか?それには、主に以下の素材、縫製、設計における技術的な違いが関係しています。


    ◆ 素材の違い/生地の素材と強度

    【ワークマン】 コストを抑えつつ必要な強度を確保するために、一般的なナイロンやポリエステル素材が使用されることが多いです。日常的な使用や比較的軽度なアウトドア活動では十分な強度を持っています。


    【有名登山ブランド】 より過酷な環境での使用を想定し、高強力ナイロン(例:コーデュラ®ナイロンなど)や、糸の太さを示すデニール数が大きい(太い)生地を摩擦が多い部分や全体に使用することがあります。これらの素材は、引き裂き強度、摩耗強度、突き刺し強度に優れており、岩場での擦れやザックとの摩擦に対して高い耐久性を発揮します。また、軽量性を保ちつつ強度を出すために、特殊な織り方(例:リップストップ加工で格子状に補強糸を織り込む)が施されていることも一般的です。


    ◆ 素材の違い/防水透湿素材の耐久性

    【ワークマン】 「イナレム」のような独自の防水透湿素材はコストパフォーマンスに優れていますが、長期間の使用や繰り返しの洗濯、紫外線などによるメンブレン(防水透湿フィルム)の劣化の進行度合いは、専門ブランドが採用するGORE-TEX®などの高性能素材と比較すると差が出る場合があります。GORE-TEX®などは、メンブレン自体の耐久性や、生地との接着技術(ラミネート技術)においても厳しい基準を設けています。


    【有名登山ブランド】 高価なGORE-TEX®素材の中でも、特に耐久性を重視した「GORE-TEX® Pro」などは、非常に丈夫な表生地と裏生地でメンブレンを保護し、剥離しにくい構造になっています。


    ◆ パーツの品質

    ファスナー、ボタン、バックル、ドローコードといった細かなパーツも、耐久性に影響します。有名ブランドでは、低温下でも壊れにくい、あるいは操作性の高い高品質なパーツが選ばれる傾向にあります。


    ◆ 縫製技術の違い/縫い目の処理と強度

    【ワークマン】 通常の縫製基準を満たしており、日常使用には十分な強度があります。


    【有名登山ブランド】 負荷がかかる主要な縫い目には、二重縫製(ダブルステッチ)や三重縫製(トリプルステッチ)を施したり、特に力が集中する箇所(ポケットの端、ベルトループなど)にはカン止め縫い(バータック)と呼ばれる補強縫製を何重にも行ったりします。これにより、縫い目からのほつれや破れを防ぎます。


    ◆ シームテープの品質と加工

    防水ウェアの場合、縫い目からの浸水を防ぐためにシームテープ処理が施されます。このテープの品質や接着技術、そしてテープ幅を狭くすることで軽量化と動きやすさを両立する技術などは、専門ブランドが長年培ってきたノウハウが活かされています。耐久性の低いシームテープは、経年劣化で剥がれやすいことがあります。


    ◆ 設計思想の違い

    【ワークマン】 シンプルな構造でコストを抑えつつ、必要な機能を持たせる設計が中心です。


    【有名登山ブランド】 動きやすさを追求した複雑な立体裁断を採用しつつ、ザックのショルダーハーネスやウエストベルトが当たる肩や腰、岩に擦れやすい膝やお尻、アイゼンガードが必要な裾の内側など、摩擦や負荷が特に大きい部分には、より厚手で耐摩耗性の高い生地を配置するなどの補強がなされています。これにより、ウェア全体の寿命を延ばす工夫がされています。


    ◆ 長期使用を前提としたメンテナンス性

    一部の有名ブランドでは、修理サービスを提供しており、破れやパーツの故障などを有償または無償で修理してくれる場合があります。これも製品を長く使うためのサポートと言えるでしょう。


    以上様々な観点から考察してみましたが、ワークマンのウェアが「1シーズンで必ずダメになる」というわけでは決してありません。丁寧に扱い、想定される範囲内での使用であれば、十分に長持ちする製品も多くあります。 しかし、より厳しい環境での頻繁な使用、例えば年間何十日も山に入り、岩場や藪漕ぎも厭わないようなハードな使い方をする場合や、絶対的な安心感を求める場合には、上記のような素材、縫製、設計にコストをかけて耐久性を追求している有名登山ブランドの製品に分があると言えるでしょう。


これらのデメリットは、ワークマン製品が劣っているということではなく、想定される使用環境や価格帯が異なるために生じる差と理解するのが適切です。

ワークマンの商品は年々その品質が向上しており、登山スタイルによっては一部の登山ブランドのウェアよりも魅力的に感じる場合もあります。



「有名ブランドのウェア」を選ぶべき時とは?

では、どのような場合に、ワークマン製品だけでなく、少し価格が高くても歴史の長い有名登山ブランドのウェアを選ぶことを検討すべきなのでしょうか。


  1. ステップアップして、より厳しい環境に挑戦する時

    日帰りの低山から、標高の高い山や難易度の高いルートへ挑戦する時。 標高が上がれば気温は下がり、天候も変わりやすくなります。


  2. 天候が不安定な山域や、数日間にわたる泊りがけの登山(縦走など)をする時 長時間、様々な気象条件にさらされるため、ウェアの信頼性がより重要になります。


  3. より専門的な知識と装備が必要なアクティビティに挑戦する時 雪山登山、アイスクライミング、沢登りなどこれらの活動では、ウェアの機能不全が命に関わることもあります。


  4. 自身の「安全性」と「快適性」をより高いレベルで確保したい時

    「何かあったらどうしよう」という不安を少しでも減らし、登山に集中したい場合。信頼性の高いウェアは、精神的な安心感にも繋がります。厳しい環境下でも、できる限り快適に過ごしたいと考える場合。優れた透湿性や保温性は、体力の消耗を抑え、パフォーマンス維持に貢献します。


  5. 長期的な視点で「良いものを長く使いたい」と考える時

    高品質な専門ブランドのウェアは、適切なメンテナンスを行えば非常に長持ちします。初期投資は高くても、結果的に買い替えの頻度が減り、コストパフォーマンスが良いと考えることもできます。また、修理サービスなどが充実しているブランドもあり、愛着のあるウェアを長く使い続けることができます。


賢いウェアの選び方

「じゃあ、初心者はどうすればいいの?」という方へ、賢いウェアの選び方についていくつかアドバイスです。

  1. まずはワークマンで始めてみるのも賢い選択

    最初はワークマンのウェアで、近所の低山やハイキングコースに出かけてみましょう。登山の楽しさ、必要なもの、自分に足りないものが少しずつ見えてくるはずです。


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  2. レイヤリングを意識して、徐々にステップアップ 登山ウェアの基本は「レイヤリング(重ね着)」です。汗を素早く吸い取り乾かす「ベースレイヤー(肌着)」、保温性を調整する「ミドルレイヤー(中間着)」、雨風を防ぐ「アウターレイヤー(外着)」を状況に応じて組み合わせます。最初から全てを高級品で揃える必要はありません。例えば、「ベースレイヤーは汗処理能力の高い専門ブランドのものを」というように、重要度の高いアイテムから徐々に専門ブランドの製品を取り入れていくのも良い方法です。


  3. アウトレットやセール、中古品も活用 有名ブランドの製品でも、アウトレット品や型落ちモデルのセール、状態の良い中古品などを探せば、比較的安価に手に入れることができます。


  4. レンタルを利用してみる 特に高価なアウターウェアや登山靴などは、まずレンタルで試してみて、自分に合うかどうか、本当に必要かどうかを見極めるのも賢い方法です。



自分に合ったウェア選びで、安全で楽しい登山ライフを!

ワークマンの登山ウェアは、その圧倒的なコストパフォーマンスで、登山を始めるハードルを大きく下げてくれる素晴らしい選択肢です。特に初心者のうちは、まずワークマン製品で登山の楽しさを体験し、徐々に自分のスタイルや目指す山のレベルに合わせて、必要なアイテムを専門ブランドで補強していくのがおすすめです。

大切なのは、それぞれの製品のメリット・デメリットを正しく理解し、自分の目的や挑戦する山の環境に合わせて、最適なウェアを選ぶことです。価格と耐久性のバランスも考慮し、無理のない範囲で、賢く道具を選び、安全で快適な登山ライフを楽しみましょう!


挑戦を思い出す場所


BRAVE FITNESS GYM 覚王山

名古屋市千種区穂波町3丁目29−1

エトワールMI 101

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