「ファイテンのパワーシールって、本当に効果があるの?」
実は今から29年も前に発売されたファイテン社のパワーシール。
全国のファイテンショップやスポーツショップ、マラソン大会の会場でも見かける製品でランナーのほとんどの方が知っているかと思います。 体の気になる部分に貼るだけで疲労回復やパフォーマンス向上に繋がると言われていますが、本当に効果があるのかどうか曖昧なまま使用しているランナーの方も多いと思います。

今回は、ロングセラー商品であるファイテン「パワーテープ」のメカニズムやその効果について、科学的な根拠を基に深く掘り下げて解説していきます。最後に、パワーテープの貼り方もご紹介します。 すでに愛用していて効果を感じている方も、そのメカニズムや具体的な効能について知らないこともあるかと思いますのでぜひ参考にしてみてください。

アクアチタンとは何か?
ファイテンのパワーテープを解説する上でまず知っておかなければならないのがアクアチタンというものです。アクアチタンとは、ファイテン社が独自に開発した技術で、チタンを水に分散させたものです。具体的には、チタンを高温高圧の水中で水素と酸素の混合ガスで燃焼させ、可燃性ガスに溶解させることで、ナノメーターという極めて微細なサイズのチタン粒子を作り出します。この微細なチタン粒子が分散した水溶液をアクアチタンと呼びます。
早速ややこしい説明になりましたが、パワーテープの効果はこのアクアチタンがあってこそのものになるということです。
そして、このアクアチタンを染料として使用することで、繊維にチタンを結合させることが可能になり、衣料品やテープなどの製品に応用されているわけです。
パワーテープのメカニズム:アクアチタンはなぜ効果があるのか?
パワーテープは、このアクアチタンを浸み込ませたテープで、皮膚に直接貼ることで下記の様々な効果が期待されています。
(*いずれの内容もまだまだ研究段階であることをご留意ください)
神経系への影響
神経細胞の活動変化
アクアチタンは、神経細胞の静止膜電位や活動電位の発火頻度を低下させる可能性があります。これは、神経細胞の興奮を抑制し、過剰な活動を鎮める効果があることを示唆しています。
痛覚の抑制
アクアチタンは、痛みの感覚を伝える神経経路における長期増強(LTP)という現象を抑制する可能性も示唆されています。LTPは、痛みの記憶が形成される際に重要な役割を果たすと考えられており、アクアチタンがLTPを抑制することで、痛みの感覚を和らげる効果が期待できます。
神経伝達の効率化 アクアチタンは、神経信号の伝達におけるノイズを低減し、信号伝達の効率を向上させる可能性も考えられています。これにより、よりスムーズな神経伝達が可能になり、運動時のパフォーマンス向上につながる可能性があります。
メカニズムの補足
アクアチタンがどのように神経細胞に影響を与えるかについては、まだ研究段階です。しかし、アクアチタンが神経細胞の膜電位やイオンチャネルの活動に影響を与えることで、神経活動を変化させている可能性が考えられています。
筋骨格系への影響
腱の柔軟性の維持
アクアチタンを塗布したテープを貼付することで、アキレス腱の柔軟性を維持し、運動後の腱の硬直を緩和する効果が報告されています。腱の柔軟性は、関節の可動域を広げ、よりスムーズな動きを可能にするため、ランニングパフォーマンス向上に不可欠です。
反射反応の改善
アクアチタンは、筋肉が刺激に反応するまでの時間を短縮し、反射反応を改善する効果があることが示されています。これは、筋肉がより速く、より効率的に刺激に反応できることを意味し、運動時のパフォーマンス向上につながる可能性があります。
関節可動域の改善
アクアチタンは、関節の可動域を広げる効果も報告されています。関節の可動域が広がることで、より効率的なランニングフォームが可能になり、ランニングエコノミーを改善する可能性があります。
筋細胞の機能促進
アクアチタンは、筋細胞の構造を強化し、筋肉の機能と分化を促進する可能性も示唆されています。アクアチタンによって、筋細胞の接着と増殖が促進され、筋細胞内の構造タンパク質の発現が高まることが確認されています。これにより、筋肉の収縮力が向上し、運動時のパフォーマンスが向上する可能性があります。
メカニズムの補足
アクアチタンがどのように筋骨格系に影響を与えるかについては、神経系を介した影響や、細胞レベルでの直接的な影響の両方が考えられています。アクアチタンは、筋細胞の細胞膜に作用し、イオンチャネルやその他の膜タンパク質の機能を変化させることで、筋収縮を調整している可能性も考えられます。
自律神経系への影響
交感神経活動の抑制
アクアチタンは、交感神経の活動を抑制し、副交感神経の活動を優位にする可能性があります。交感神経は、ストレス時に活発になる神経であり、副交感神経はリラックス時に活発になる神経です。アクアチタンが交感神経の活動を抑制することで、心身のリラックス効果が期待できます。
ストレス軽減
アクアチタンは、ストレスホルモンであるコルチゾールの分泌を抑制する効果も示唆されています。ストレスは、運動パフォーマンスを低下させる要因の一つであるため、アクアチタンによるストレス軽減効果は、ランナーにとって大きなメリットとなりえます。
睡眠の質の向上
アクアチタンは、睡眠の質を向上させる効果がある可能性も示唆されています。良質な睡眠は、疲労回復を促進し、運動パフォーマンスを向上させるために不可欠です。
メカニズムの補足
アクアチタンが自律神経系にどのように影響を与えるかについては、まだ研究段階です。しかし、アクアチタンが皮膚の受容体を刺激し、それが脳に伝達されて自律神経系の活動を調整している可能性が考えられています。また、アクアチタンが細胞レベルで自律神経系の細胞に直接的に作用している可能性も考えられます。

ランナーへの応用
パワーテープは記録更新の味方になるか?
ここまでの小難しい内容を踏まえ、パワーテープがランナーにとってどのようなメリットがあるのかをわかりやすくまとめると・・・
① 疲労回復の促進
運動後の筋肉や腱の回復を助け、疲労を軽減する可能性があります。特に、長時間のランニングやハードなトレーニング後には、筋肉や腱の炎症や微細な損傷が起こりやすいため、アクアチタンがこれらの回復をサポートすることで、疲労を早期に解消することができると考えれます。
② ランニングエコノミーの向上
関節可動域を広げ、より効率的なランニングフォームをサポートすることで、ランニングエコノミーを改善する可能性があります。ランニングエコノミーが向上することで、同じペースで走る際のエネルギー消費量を抑えることができ、長時間のランニングでも疲労しにくくなります。
③ ストレス軽減
リラックス効果や睡眠の質を向上させることで、レース前の緊張やストレスを軽減し、心身ともに良い状態で本番に臨める可能性があります。ストレスは、自律神経のバランスを乱し、心身のパフォーマンスを低下させる要因となるため、アクアチタンのストレス軽減効果は、ランナーにとって非常に重要です。
④ 怪我の予防
腱や筋肉の柔軟性を維持し、反射反応を改善することで、怪我のリスクを低減する可能性があります。特に、アキレス腱炎やシンスプリントなどのランニング障害は、ランナーにとって大きな悩みであり、アクアチタンがこれらの怪我の予防に役立つことが期待されています。
丸型タイプのパワーテープの効果的な貼り方
丸型タイプのパワーテープを効果的に貼るための基本的なポイントは以下の通りです。
痛点への貼付 最も基本的な貼り方として、痛みや違和感を感じる箇所に直接貼る方法があります。これにより、アクアチタンの効果を局所的に集中させ、痛みを和らげる効果を期待できます。例えば、筋肉のコリや関節の痛みに直接貼ることで、その効果を実感できます。
トリガーポイントへの貼付 筋肉の緊張やコリの原因となるトリガーポイントに貼ることで、筋肉の緊張を緩和し、痛みを和らげる効果が期待できます。トリガーポイントは、押すと痛みを感じる箇所であり、その周囲の筋肉の動きを制限することがあります。丸型テープをトリガーポイントに貼ることで、筋肉の柔軟性を高め、痛みを軽減できます。
ツボへの貼付
東洋医学における経穴(ツボ)に貼ることで、体のエネルギーの流れを調整し、体全体のバランスを整える効果が期待できます。ツボは、特定の症状や体の不調に対応するとされており、丸型テープをツボに貼ることで、その効果をサポートできます。
関節周囲への貼付 関節の動きをスムーズにするために、関節の周囲に貼る方法があります。これにより、関節の可動域を広げ、痛みを軽減する効果が期待できます。例えば、足首や膝の関節の周囲に貼ることで、関節の動きをサポートできます。
複数枚の貼付
一箇所に複数枚のテープを貼ることで、効果を高めることができます。例えば、痛みが強い箇所や、広範囲に及ぶ痛みの場合は、複数枚のテープを貼ることで、アクアチタンの効果をより実感できます。(アクアチタンを通常の約30倍濃度を高めたパワーテープX30といった製品もあります)
具体的な部位への貼り方例
肩のコリ 肩周りの筋肉のコリを感じる場合は、肩甲骨の周りに貼ります。肩の動きをスムーズにし、肩こりを和らげる効果が期待できます。
首の痛み・違和感
首の後ろや首の付け根に貼ります。首の筋肉の緊張を和らげ、首の痛みを軽減する効果が期待できます。
腰の痛み・違和感
腰の筋肉のコリや痛みを感じる箇所に貼ります。腰の筋肉をサポートし、腰の痛みを和らげる効果が期待できます。
膝の痛み・違和感
膝の関節周りに貼ります。膝の痛みを和らげる効果が期待できます。運動時に膝の痛みを感じる場合に試してみてください。
足首の痛み
足首の関節の周りに貼ります。捻挫の予防や、足首の痛みを和らげる効果が期待できます。

パワーテープで記録更新を!
アクアチタンは、神経系、筋骨格系、自律神経系に様々な影響を与える可能性が示唆されています。このアクアチタンを浸み込ませたパワーテープは、疲労回復の促進、ランニングエコノミーの向上、ストレス軽減、怪我の予防など、ランナーにとって様々なメリットをもたらす可能性があります。
パワーテープを効果的に活用することで、日々のトレーニング効果を高め、自己記録更新に繋がればうれしい限りです。この記事で紹介した情報を参考にご自身の体の状態や目的に合わせてパワーテープを試してみてください。
ただし、過信は禁物、土台が大切!
パワーテープは、様々な効果が期待される一方で、その効果は限定的であるとか、プラセボ効果ではないかといった報告があるのも事実です。実際のところその効果には大きな個人差があり、すべての人に合うとは限りません。アクアチタンの研究はまだまだ発展途上であり、さらなる研究が必要です。パワーテープを使えば大丈夫といった心持ちではなく、日々のトレーニングやバランスの取れた食事、十分な睡眠を土台とした体づくりが基本とすることがやはり大前提にはなることをお忘れなく!
参考元
アクアメタル研究会
ファイテン公式サイト
https://www.phiten.com/
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挑戦を思い出す場所
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BRAVE FITNESS GYM 覚王山
名古屋市千種区穂波町3丁目29−1
エトワールMI 101
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